見出し画像

「人吉市まちなかグランドデザイン 推進アクションプラン【素案】」を公開しました



こんにちは。人吉市復興まちづくりデザイン会議(以下、デザイン会議)です。

今回も「なんだかこむずかしいまちづくりの話をちょっと分かりやすく」を目指して、復興まちづくり情報をお届けします。

第一回の記事では、美しい人吉の土地を襲った豪雨災害の様子をお話ししました。

球磨川とその支流が豪雨によって氾濫し、川に架かる橋梁も流失。市街地や集落も濁流にのみ込まれ、大きな浸水被害をもたらしたのが令和2年7月のこと。

その後、令和3年10月には復興に向かう全体計画を記した「人吉市復興まちづくり計画(以下、復興まちづくり計画)、令和6年3月には「人吉市まちなかグランドデザイン(以下、まちなかグランドデザイン)を策定し、復興まちづくりを続けています。

そして今、まちなかグランドデザインで記された方針に思いを重ねてより鮮明な未来図を描き、その未来図を公民が連携して具現化するためにまとめられようとしているのが「人吉市まちなかグランドデザイン推進アクションプラン(以下、アクションプラン)です。

今回は、この「アクションプラン」を前に公開された「アクションプラン【素案】」についてお話ししたいと思います。

※全体版は容量が大きいため全体版は2ファイルに分けています。

アクションプラン素案は人吉市ホームページからもご覧いただけます。
【全体版1】人吉市まちなかグランドデザイン推進アクションプラン素案(令和6年11月)P1-P44 (PDF 16,873KB)
【全体版2】人吉市まちなかグランドデザイン推進アクションプラン素案(令和6年11月)P45-P93 (PDF 18,267KB)
【概要版】人吉市まちなかグランドデザイン推進アクションプラン素案(令和6年11月) (PDF 6,297KB)

「人吉市まちなかグランドデザイン推進アクションプラン」って?


人吉市が目指すのは「市民の生活満足度向上」を第一に、「観光地としての魅力向上」との相乗効果で両輪を回して盛り上げていく復興サイクル。

アクションプランは、まちなかグランドデザインで描いた未来図を両輪のサイクルをもとに実現するために行政、市民、事業者、専門家が思いやアイデアを重ね合わせてつくる、いわば「実行アイデア集」です。

アクションプランを公開することで共有される、復興まちづくり計画のビジョンや全体像、各エリアの思い。

これらの共有があってこそ、拠点エリアごとに結成される実行チーム(タスクフォース)にて活動主体を具体化して計画の解像度を上げていきながらも、エリアを横断した復興まちづくりが可能になると考えています。

行政、民間、専門家でアイデアを重ねてつくるアクションプラン

 このたび公開した【素案】は、令和7年3月に公開を予定しているアクションプラン(正式案)のたたき台となるもの。

「まちなかグランドデザイン」に描かれているビジョンをもとに、市民や市内事業者の民間意見はヒアリング等によって収集し、専門家は具体的データや情報、仮説も用いて繰り返し議論。その過程から可視化された方策案が【素案】に登場しています。

この【素案】を素材として、12月にはまちなかエリア全体での市民意見交換会、2月までには事業参画を検討される事業者さんとのワークショップを予定。令和7年3月には正式案を公開する予定です。

正式案公開後、長い時間をかけて実行するアクションプランですから、今後の事業の変化、具現化、細分化、新たな動きの追加などに合わせた更新はもちろん、地域事情や行政の財源状況、社会情勢の変化などにも柔軟に対応しながらの更新も行う前提です。

アクションプラン【素案】に登場する人吉の未来図

素案の中では、これまで協議会が組織化されていた青井エリア、中心市街地エリア、かわまちづくりエリアにグランドデザインで位置付けられている麓・老神エリア、人吉駅エリアを含む5エリア、その他のエリアが加わる。(アクションプラン素案概要版6ページから)

アクションプラン【素案】には、復興まちづくりを経て生まれる、人々が憩い楽しく過ごす未来図のシーンが、エリアごとに描かれています。

アクションプラン素案に描かれた中川原公園・大橋のエリアのイメージ。公園や護岸整備とあわせて照明や滞留空間、樹木等の設置を行い、日常の憩いの場として球磨川を代表する水辺空間を演出。(アクションプラン素案全体版46ページから)
アクションプラン素案に描かれた青井阿蘇神社周辺に交流の拠点となる公園が整備された風景。(アクションプラン素案全体版42ページから)
アクションプラン素案に描かれた大橋を週末やイベント時に歩行者天国として使用することによって生まれる風景のイメージ。(アクションプラン素案全体版49ページから)
エリアごとの整備と仕掛けから生まれるより豊かな生活と観光地としての魅力向上を想像することができる。(アクションプラン素案概要版7ページから)

アクションプラン【素案】に登場する整備と仕組みの計画

また、各エリアのプロジェクトを実現するために、エリア全体へのハード整備と仕組みを計画するのが、以下の取り組みです。

ランドスケープデザイン 10のエリアと回遊動線

人吉市街地のランドスケープ全体の考え方(アクションプラン素案全体版24ページから)
人吉市街地のランドスケープの視点(アクションプラン素案全体版25ページから)

南北に架かる3つの橋と東西に抜ける数本の通りを結び、人吉のまちならではの恵みを体感できるエリアを結んで描く回遊動線。人吉市街地を構成する「水・森・道」を雄大なスケールのものから歩行スケールのものに分類し、それぞれの特徴を活かすことで、回遊における「眺める、感じる、巡る」という楽しみに変化に富んだ演出をもたらすランドスケープデザインとして進みます。

夜間景観デザイン 眺める対象としての価値の磨き上げ

人吉市街地の夜間景観のイメージ(アクションプラン素案概要版4ページから)

朝の風景から夕刻まで表情がうつろい、舟の行き交いや鮎釣り人の姿も美しい球磨川水景。そして、国宝青井阿蘇神社をはじめとする歴史的建築、人吉城跡、風情と個性が共存するまちなか。

照明の整備や演出によってランドマークを活かしてエリアの個性を磨くことで回遊性を獲得し、目的地を創出することで愛着や誘客を生み出しながら、暮らしの安全安心も高める計画です。

交通・駐車場・モビリティ 公共交通を強化・補完する統合的サービス

豪雨災害により、JRとくま川鉄道の両方が運休する現在。市民生活の利便性と来街者の回遊性を高める公共交通を強化・補完する統合的サービスが必要だと考え、各交通手段間の乗り換えをスムーズにする「モビリティ・ハブ」、運転手不足等の課題に対応する新技術の導入、需要を想定した駐車場の整備、シェアサイクルの有効活用などを中心に計画。

その他、アクションプラン【素案】の中では、未利用地をエリアの魅力化に活用する「まちなかランドバンク」の計画や、復興まちづくりとともに磨かれる新旧の人吉の魅力を内外へ拡散する「情報発信」の計画についても触れています。

アクションプランづくりのスケジュール

最後にアクションプランづくりのスケジュールについて。

アクションプランづくりは、今年度ヒアリング、意見交換、デザイン会議での議論をもとに取りまとめられ、復興まちづくり推進会議にて意思決定が進められ【素案】となりました。

今後、令和7年3月の正式版策定に向けて、以下の会を開催予定です。ぜひ、ご参加ください。

⚫︎合同意見交換会 令和6年12月22日(日)開催  申し込み受付中 ※終了しました
アクションプラン素案をもとに、市民のみなさんとの意見交換を行います。どなたでもご参加いただけます。
  【第一部】10:00-12:00  
  【第二部】14:00-16:00  
   ※第一部と第二部の内容は同じです。

   ご都合が良い方のお時間いずれかにお申込みください。
   ※残席ありの際は、当日とびこみ参加も満席までの先着にて受付予定です。
時間:午前の部:午前10時~
   午後の部:午後2時~
場所:人吉市保健センター2階(人吉市役所隣接)
定員:各部先着80人
詳細:人吉市ホームページからご覧いただけます。
申し込み:こちらの申し込みフォームからお申し込みください。

今後の開催予定

⚫︎担い手ワークショップ① 令和7年1月15日(水)
時間:午後6時半〜8時半
場所:人吉市保健センター2階(人吉市役所隣接)
定員:予定なし
申込期限: 1月14日(火)
申し込み:電話でお申し込みください。

⚫︎担い手ワークショップ② 
開催A/令和7年2月12日(水)

時間:午後3時〜5時
場所:人吉商工会議所3階大ホール
定員:予定なし
申込期限:2月7日(金)
申し込み:電話でお申し込みください。

担い手ワークショップ 
開催B/令和7年2月13日(木)

時間:午後6時半〜8時半
場所:人吉市保健センター2階(人吉市役所隣接)
定員:予定なし
申込期限:2月7日(金)
申し込み:電話でお申し込みください。
※担い手ワークショップ②の開催Aと開催Bの内容は同じです。ご都合が良い日時のいずれかにお申込みください。

⚫︎まちなかフォーラム 令和7年3月15日(土)
時間:午前10時〜12時
場所:カルチャーパレス小ホール

お問い合わせ:市復興支援課まちづくり推進係(☎22-2111 内線3115)


記事制作:人吉市復興まちづくりデザイン会議
この記事は、人吉市復興まちづくりデザイン会議に参加する情報発信専門家メンバーと行政内の復興と広報に携わる各担当者による連携チームで制作されています。