「人吉市まちなかグランドデザイン 推進アクションプラン【素案】」を公開しました
こんにちは。人吉市復興まちづくりデザイン会議(以下、デザイン会議)です。
今回も「なんだかこむずかしいまちづくりの話をちょっと分かりやすく」を目指して、復興まちづくり情報をお届けします。
第一回の記事では、美しい人吉の土地を襲った豪雨災害の様子をお話ししました。
球磨川とその支流が豪雨によって氾濫し、川に架かる橋梁も流失。市街地や集落も濁流にのみ込まれ、大きな浸水被害をもたらしたのが令和2年7月のこと。
その後、令和3年10月には復興に向かう全体計画を記した「人吉市復興まちづくり計画(以下、復興まちづくり計画)」、令和6年3月には「人吉市まちなかグランドデザイン(以下、まちなかグランドデザイン)」を策定し、復興まちづくりを続けています。
そして今、まちなかグランドデザインで記された方針に思いを重ねてより鮮明な未来図を描き、その未来図を公民が連携して具現化するためにまとめられようとしているのが「人吉市まちなかグランドデザイン推進アクションプラン(以下、アクションプラン)」です。
今回は、この「アクションプラン」を前に公開された「アクションプラン【素案】」についてお話ししたいと思います。
※全体版は容量が大きいため全体版は2ファイルに分けています。
「人吉市まちなかグランドデザイン推進アクションプラン」って?
アクションプランは、まちなかグランドデザインで描いた未来図を両輪のサイクルをもとに実現するために行政、市民、事業者、専門家が思いやアイデアを重ね合わせてつくる、いわば「実行アイデア集」です。
アクションプランを公開することで共有される、復興まちづくり計画のビジョンや全体像、各エリアの思い。
これらの共有があってこそ、拠点エリアごとに結成される実行チーム(タスクフォース)にて活動主体を具体化して計画の解像度を上げていきながらも、エリアを横断した復興まちづくりが可能になると考えています。
行政、民間、専門家でアイデアを重ねてつくるアクションプラン
このたび公開した【素案】は、令和7年3月に公開を予定しているアクションプラン(正式案)のたたき台となるもの。
「まちなかグランドデザイン」に描かれているビジョンをもとに、市民や市内事業者の民間意見はヒアリング等によって収集し、専門家は具体的データや情報、仮説も用いて繰り返し議論。その過程から可視化された方策案が【素案】に登場しています。
この【素案】を素材として、12月にはまちなかエリア全体での市民意見交換会、2月までには事業参画を検討される事業者さんとのワークショップを予定。令和7年3月には正式案を公開する予定です。
正式案公開後、長い時間をかけて実行するアクションプランですから、今後の事業の変化、具現化、細分化、新たな動きの追加などに合わせた更新はもちろん、地域事情や行政の財源状況、社会情勢の変化などにも柔軟に対応しながらの更新も行う前提です。
アクションプラン【素案】に登場する人吉の未来図
アクションプラン【素案】には、復興まちづくりを経て生まれる、人々が憩い楽しく過ごす未来図のシーンが、エリアごとに描かれています。
アクションプラン【素案】に登場する整備と仕組みの計画
また、各エリアのプロジェクトを実現するために、エリア全体へのハード整備と仕組みを計画するのが、以下の取り組みです。
ランドスケープデザイン 10のエリアと回遊動線
南北に架かる3つの橋と東西に抜ける数本の通りを結び、人吉のまちならではの恵みを体感できるエリアを結んで描く回遊動線。人吉市街地を構成する「水・森・道」を雄大なスケールのものから歩行スケールのものに分類し、それぞれの特徴を活かすことで、回遊における「眺める、感じる、巡る」という楽しみに変化に富んだ演出をもたらすランドスケープデザインとして進みます。
夜間景観デザイン 眺める対象としての価値の磨き上げ
朝の風景から夕刻まで表情がうつろい、舟の行き交いや鮎釣り人の姿も美しい球磨川水景。そして、国宝青井阿蘇神社をはじめとする歴史的建築、人吉城跡、風情と個性が共存するまちなか。
照明の整備や演出によってランドマークを活かしてエリアの個性を磨くことで回遊性を獲得し、目的地を創出することで愛着や誘客を生み出しながら、暮らしの安全安心も高める計画です。
交通・駐車場・モビリティ 公共交通を強化・補完する統合的サービス
豪雨災害により、JRとくま川鉄道の両方が運休する現在。市民生活の利便性と来街者の回遊性を高める公共交通を強化・補完する統合的サービスが必要だと考え、各交通手段間の乗り換えをスムーズにする「モビリティ・ハブ」、運転手不足等の課題に対応する新技術の導入、需要を想定した駐車場の整備、シェアサイクルの有効活用などを中心に計画。
その他、アクションプラン【素案】の中では、未利用地をエリアの魅力化に活用する「まちなかランドバンク」の計画や、復興まちづくりとともに磨かれる新旧の人吉の魅力を内外へ拡散する「情報発信」の計画についても触れています。
アクションプランづくりのスケジュール
最後にアクションプランづくりのスケジュールについて。
アクションプランづくりは、今年度ヒアリング、意見交換、デザイン会議での議論をもとに取りまとめられ、復興まちづくり推進会議にて意思決定が進められ【素案】となりました。
今後、令和7年3月の正式版策定に向けて、以下の会を開催予定です。ぜひ、ご参加ください。