人吉市復興まちづくり合同意見交換会 意見の記録
令和2年7月の水害後、復興まちづくりに取り組んできた人吉市。河川まわりの災害復旧工事のおよその完了を経て、エリアごとのハード整備へ。並行して重ねた市民や市内事業者へのヒアリング、専門家による議論や検証を行ってまちの将来イメージ実現のための手法を描き、令和6年11月には「人吉市まちなかグランドデザイン 推進アクションプラン【素案】」を公開しました。段階は、行政主体の整備から民間のみなさんの活動、投資、事業を促し、それと連動した整備を目指していく段階へと進んでいます。
そして、このアクションプラン素案をベースとした「人吉市の復興まちづくり合同意見交換会」を令和6年12月22日(日)に開催。
アクションプラン素案で描いた計画を叩き台とし、人吉の豊かな未来を実現するためのアイデアを出し合う時間として、高校生を含むさまざまな世代のまちのみなさん、市内外の事業者さんの垣根を越えて午前の部・午後の部合わせて約130人が集まりました。
参加された午前/午後の開催枠、参加されたテーブルを越えた意見をご覧いただくため、当日の参加が叶わなかったみなさんにも会場での様子、集まった意見をご覧いただくため、その記録をお届けします。
老若男女が集まった会場には、人吉市から松岡市長と復興政策部をはじめとする各課、人吉市復興まちづくりデザイン会議から各種専門家も参加。
議論の土台となるのは、「人吉市まちなかグランドデザイン 推進アクションプラン【素案】」。まちのみなさんや事業者のみなさんにヒアリングを行い、課題や要望を踏まえてつくってきたこのプランについて、エリアごとテーマごとに分けて、各種専門家や担当者がダイジェストで紹介。
回遊動線、拠点ごとのつながり、風景全体として捉えるランドスケープ、夜のまちの見え方としての夜間景観、二次交通を考える交通計画、また、今起こっているまちづくりの情報やまちの将来像をまちの内外に伝える情報発信、大災害からの復興であるがゆえに、情報と題材は広域にわたります。
そのなかで、まちのみなさんに積極的に関わっていただきたい「関わりしろ」についての情報も提示。整備後のまちで自らがやってみたいことを「社会実験」として実施する期間も用意し、まちのみなさんの参加が可能になります。
デザイン会議全体を率いるプロジェクトマネージャーチーム泉氏からは「アクションプラン素案に描かれているこれらの未来図は、すぐに全部実現できるわけではない。だけど、そういう未来があるならどんなことができるか、一緒に考えてみてほしい」と呼びかけます。
そして、登場したエリアまたはテーマのそれぞれがお題として記された各テーブルから、参加したいテーブルを選んでディスカッションがスタート。
11のお題に分かれて、意見やアイデアを交換
テーブルに記されたお題は次の11項目。
①青井エリア
②中川原公園・胸川エリア
③中心市街地エリア
④人吉駅エリア
⑤麓・老神エリア
⑥夜間景観
⑦川遊び・アクティビティ
⑧選ばれる観光地づくり
⑨まちなか回遊のアイデア
⑩暮らしの満足度向上
⑪市民・事業者の参加促進
ディスカッションは、午前の部・午後の部のそれぞれにて各2ラウンド。
進行は、各種専門家や担当者も交えた各テーブルのグループ内にて、3色の付箋を使用しながら参加者同士が自らの意見を公開する方式。
【ピンクの付箋】
エリアのコンセプトや整備方針についての意見や疑問、アイデア、テーマについての目標やアイデアを記す。
【ブルーの付箋】
エリアやテーマにおいて、自らや団体としてやってみたいこと、できること、関わりたい・関われること、社会実験のアイデアを記す。
【イエローの付箋】
テーブルのテーマに限らず、アクションプラン素案上で記された回遊動線、拠点エリア、ランドスケープ、夜間景観、交通、情報発信などについての意見や疑問、アイデアを記す。
参加者は年齢、性別、在住地区、職業も多様で、みなさんにとってもまちに対するご自身の考えやアイデアを届けられる機会、同じまちに暮らすさまざまな価値観に触れられる機会とあって、熱気を感じる会場ムードに。
それぞれの意見にさらなる発想力が刺激され、多くの意見が挙がった各グループのディスカッション記録をお届けします。
コメントはごく一部抜粋し、一部要約。すべての意見を記録した資料はこちらから閲覧いただけます。
①青井エリア
地域の宝であり人吉観光地の顔として地域の人が誇り、期待が集まる青井エリア。神社と川をつなぐ参道の整備が目を惹くアクションプラン素案。参道を通じた川へのアプローチを可能にすることで、ここから球磨川下りへ出発するという構想も。周辺を回遊したくなる雰囲気づくりを考え、エリアの価値を向上させるにぎわい施設の導入、交流の拠点となる公園の整備をはじめ、厳かさを演出する夜間景観形成の計画。
青井阿蘇神社を軸としたエリアの素晴らしさを磨き上げたいという思いの溢れるアイデアが多く挙がりました。
・周囲との景観の調和の意識
・地元の人に青井阿蘇神社の素晴らしさへの理解を広める
・人吉ならではの地産の農産物やお土産屋の展開
・顔はめパネルなどのフォトスポットの設置
・食べ歩きができるように飲食店を展開
・週一トラック市の開催
・バリアフリーへの配慮
また、遊び場やアクティビティについての意見も重なりました。
・雨天時も遊べる屋内施設の設置
・スケボー施設の設置
・公園にバスケットコートの設置
自身が関わりたい、関われること、社会実験のアイデアとして、
・高校生との蓮池づくり
・神社の魅力を知ってもらうためのベンチづくり
・球磨川のゴミをなくす取り組み
などが挙がりました。
②中川原公園・胸川エリア
球磨川の中洲として位置する中川原公園は、多くのまちの人が過去の風景を懐かしみ、未来の風景に想像を膨らませる場所。アクションプラン素案では、大橋を通じてどちらの岸からもアクセスできる利点、両岸のまちをつなぐ役割を見込んだ利用の可能性、大橋の歩行者天国利用、支流である胸川や山田川への飛び石の設置、人吉城跡側への階段の設置、そしてさまざまなアクティビティを楽しむ人の姿が風景が描かれています。
ディスカッションでは、アクティビティの具体的アイデアや、利便性や安全性を高めるための意見が多く挙がりました。
・眺めを楽しみながらゆっくりできる空間づくり
・キャンプ場としての環境の充実
・魚や生き物を見ることができる施設の設置
・川下りの舟やラフティングボートをとめられ、公園に上がりやすい場所の設置
・人が流されても大丈夫な安全対策
・虫対策
・ライフジャケットの貸し出しブース設置
・通学時間等には安全を優先したライトアップ
・太極拳やラジオ体操などの朝活の開催
さらに、自らや団体としてやってみたいことや社会実験のアイデアも、キャンプ体験、テントサウナ体験、カヌーやSUPの体験、川に流されてみる体験や安全教室、小さな森をつくって森林浴など多く挙がり、自らが関わっていこうとする意見が挙がる様子が印象的でした。
③中心市街地エリア
歴史・文化・飲食・遊びが重なり合う中心市街地エリア。水害の被害が大きかった地域でもあり、アクションプラン素案では、それぞれの地区らしさを大切にしながらも、地区を横断してまちと川辺を回遊するまちづくりが描かれています。
プロジェクトマネージャー泉氏からは「例えば、山田川周辺は護岸が気持ちよく使われる空間に変わっていく。街並み保存に力を入れてこられた鍛冶屋町通りは、さらに文化の香りがするまちづくりを計画している」と解説。
うぐいす温泉エリアを担当する西村氏からは「時間がかかる計画のなかで、活動したいという気持ちになってもらうことが大事。みなさん自身が『こんなふうに安全で子どもたちも走り回れる場所、緑豊かな場所になるんだったら何かお店を開きたい、住んでみたい』と思える動機をつくっていきたい。社会実験によって、ちょっとずつでも風景が動き出せば、気持ちも変わっていくと思う。やってみたいという思いがあれば出してほしい」との呼びかけ。
視点はさまざまながら、災害対策や環境保全、人が集まる場所づくりの視点から、安心感と機能性の両方が強く求められていることが感じられます。
・支流の氾濫対策
・球磨川の汚濁対策
・治水の観点での雨庭の設置
・災害時の避難場所
・子どもの遊び場づくり
・居酒屋ではない学生も入れるお店や場所づくり
・駐車場スペースの確保
・図書館を中心とした複合施設の設置
・空き地の活用
・チャレンジショップの開設
事業創出しやすいまちづくりとしての施設やテナント、賃貸におけるスペース構築への意見も重なりました。未利用地を活用してエリアの魅力づくりへ活用する「まちなかランドバンク」の考え方も、アクションプラン素案に掲載しています。
自身や団体としてやってみたいことや社会実験のアイデアとして、
・商店街振興組合としての新たな賑わい創出
・PTA連合会でまちなかウォーキングの毎年開催
・地元木材を使った施設づくり
・地元木材の供給とサウナや薪割り体験での活用
・商店街での明るさづくり
・映像制作やインフルエンサーが参加する情報発信
など、景観づくり、イベント開催、体験コンテンツ、観光コンテンツの展開に関わる、有志としての市民活動から事業者としての展開まで、多様なバックグラウンドを強みにした参加への熱意が高まります。
④人吉駅エリア
肥薩線再開通までの長くかかると見込まれながらも、SL人吉の展示をはじめ、人吉ならではのコンテンツのファンを持つエリア。駅、駅前広場、SL、人吉鉄道ミュージアム等を一体的に再編成し、寂しくない場所への転換が描かれている。
肥薩線復旧開通までの期間、駅周辺スペースをイベント活用するという意見をはじめ、SLの活用に注目が集まりました。
・使っていないホームにSLを収納した歴史館づくり
・昔のようにSLをつないでSL内で弁当販売
・MOZOCAステーションと連携した運転体験
・機関庫を活用した人吉の新しい観光コンテンツづくり
・ライブやイベントができるステージの設置
・ステーションパーク化
・鉄道とアニメのコラボ
さらに、
・通りをつなぐ仕掛け
・二次交通やモビリティや周遊を楽しむ仕掛けづくり
・高校生の待合スペースの設置
・フリーWi-Fiの設置
など、エリア内の空間の利便性向上、動線をつなぐ視点での意見も重なりました。
自身や団体としてやってみたいことや社会実験のアイデアでは、
・学生向けイベントを増やす
・人吉駅での行事やイベントの運営活動や手伝い
・格納庫の清掃活動
・事務所を開放して休憩スペースとして活用
・くま川鉄道沿線の観光活動を発信
といった個人やチームでの等身大での活動意見が挙がりました。
⑤麓・老神エリア
人吉城跡や老神神社、酒造場や温泉も有するこのエリア。歴史的雰囲気を楽しみ、より深く歴史文化を体感できる地域として、まち歩きの安全性の向上とともに、人吉城跡の象徴性を高めるための景観整備案、人吉城跡の夜景を対岸や中川原公園側から眺める夜間景観イメージが描かれています。
ディスカッションでは、安全性向上の必要性が市民視点での体験をもとに語られ、さらに暮らしのなかでの回遊シーンを具体的に挙げてのアイデアが並びました。
・草刈り、イノシシ、シカの対策
・観光客の安全のための石段の整備
・ランニングコースとして、5km、10km、周回コースを整備
・サイクリングロードの整備
・川エリアをボート等で回遊できる仕掛け
・ナイトウォークや子ども目線の回遊
・宿泊客が回遊する仕掛け
さらに、景観が重視されるエリアとして、
・統一した景観づくり
・本丸の景観・雑木の撤去
・城見庭園、球磨川下りの船から見た景観づくり
・霧を活かす景観づくり
自らや団体としてやってみたいことや社会実験のアイデアでは、
・環境整備のためのボランティア活動
・提灯を並べる
・広場に移動式市場をつくり、特産物や土産物を売る
・スタンプラリー、ウォークラリーの企画
・こども会独自の取り組みの企画
などが挙がり、より早い実現への気持ちの盛り上がりが見られました。
⑥夜間景観
球磨川水景や多くの神社仏閣、人吉城跡、そしてまちなかまで、人吉市の景観の魅力を活かして磨き上げる夜間景観計画。アクションプラン素案上で描かれたライトアップイメージに注目が集まるテーマです。実現への期待の声が聞こえるとともに、実現に向けた現実的視点も多く挙がったグループ。
明かりの専門家・長町氏からは「アクションプラン素案には、どういう整備をしようかという方針が描かれています。たとえば、中川原公園は『眺めて美しく夕刻にも行きたい水辺にする』が方針ですが、ここにみなさんが肉付けしたいこと、やってみたいことを聞かせてほしい」との呼びかけ。
・安全安心なまちづくりのため照明と、人吉の環境を考えた照明
・人吉城跡や球磨川散歩道を夜間散歩できるように明るく
・ランニングをする時の川沿いの暗さを改善
・増水時に河川を照らす仕掛けの設置
・SNS発信で明かりは人気コンテンツ、特に夏目影絵は人気
・川沿いをライトアップすることで、夜でも球磨川下りをできるように
・飲み屋街を周遊するための明かりの計画
・提灯と提灯返却ボックス
・季節限定のイルミネーション
・花火大会と照明をコラボする
・中川原公園で季節ごとに明かりのイベントや演出
一方で、人吉らしい環境への配慮の声も多くあがりました。
・空の星が見えるよう、上方を照らさない工夫
・鮎釣りには影響が出ない対策
・生態系への配慮
・コウモリ・虫への対策
自身や団体としてやってみたいことや社会実験のアイデアとしては
・竹を使ったライト作り
・月一回程度の夜のイベントへの参加
・学校の授業とコラボして光の装置をつくる
など、自らの参加で取り組みを盛り上げられたらという、参加者個人個人の思いを感じる声が集まりました。
⑦川遊び・アクティビティ
球磨川と支流、そして中川原公園や河岸など、川を軸とした景観にとどまらず、さまざまな遊びやアクティビティの可能性を持つのが人吉の最大の強み。アクションプラン素案にも、カヌーやSUP、BBQやキャンプ、マーケットなど、さまざまな川遊びの光景が描かれています。
ディスカッションでは、豊かな川遊びの土台となる川の保全、アクティビティ利用を想定した快適性、そして新たなアイデアも挙がりました。
・水をきれいにしたい
・魚や生物を増やしたい
・各拠点のトイレ整備、アクセス整備
・カヌーやラフティングを下せるスロープを設置
・川の底が浅いので掘る
・飛び込める場所の設置
・地元の人も川でラフティングやカヌーなどが楽しめるような勉強会
・ライフジャケットを貸し出しするブースの設置
・子どもたちが安全に楽しく遊べるように川を整備
・川に浸かった後の温泉が欲しい
・漁業権が要らず、誰でも釣りができるエリア
・川を背景にミニコンサートができる場所の整備
・屋形船を出すイベント、夏場限定でもよい
・手作りいかだ大会
受け継いできた川を次世代につなげるアイデア、高校生カヌー部の参加もあって、川の使い手ならではの声も聞こえてきたのが印象的でした。
自身や団体としてやってみたいことや社会実験のアイデアでは、
・子供や家族と水辺で遊びたい
・川辺や森のエリアで昼寝
・テントサウナ体験
など、自らが実践者になろうという意気込みに加え、
・観光で来た人にカヌーを教えたい
・カヌーや川遊びに関するサポーターやレスキューなどを構成するための呼びかけ
・ラフティングの事務所に使える空き家利用
・空き家を利用した、川が見えるカフェをつくりたい
・整備後の情報発信を行う
といった積極的な活動主体を意識したコメントも集まりました。
⑧選ばれる観光地づくり
日本三大急流・球磨川、国宝・青井阿蘇神社、500年の歴史を誇る人吉温泉、良質な水と米でつくられた球磨焼酎など、どこにも負けない魅力をいくつも持つ人吉観光。この魅力に改めてフォーカスし、狭域と広域の両方から選ばれる観光地となり、持続する観光地経営を目指します。
ディスカッションでは、現在の人吉観光の状況を客観視しながらの改善アイデアを中心に、より人吉らしさを演出する新しいアイデアも。
・全体的に道が狭いので、道を綺麗にする
・自転車道路の整備
・季節ごとのライトアップ・イルミネーション
・スポットにQRコードを掲示し、動画を流して多言語で説明を提供する
・ICを降りても温泉地のイメージが湧かない点の改善
・小京都感を大切に
など旅行者目線を意識した景観や街歩きの快適性への言及から、
・星空を見られる場所をつくる
・夜の観光ができるように明かりで川を照らす
・自然を使ったアスレチックの設置
・人吉の食材を使った観光和食店をつくる
・ラーメン博物館の設置
という自然資源の活用。さらに、
・球磨川下りから人吉城跡に上がれるコースづくり
・人吉球磨を歩いて知るツアーづくり
・ベビーカーや車いすの迂回路の設置
など、コースやツアーの造成への意見も挙がりました。
そして、自らの参加や社会実験のアイデアにおいて多かったのが、情報発信分野。
・お客さんに観光の案内がもっとできるように勉強したい
・ツアーガイドとしての活動
・多言語チームをつくり観光ツアーをやる
・動画の発信もするべき
・魅力的なことがあればいくらでも発信する
など、人吉の魅力をあらためて磨き上げながら自らがその役割を担うと宣言する、力強い声が聞こえました。
まちづくり計画から描かれるまちの未来の姿を、市民・事業者、市内外のメディア、観光事業者と共有し、まちの発信力を向上するアクション計画については、アクションプラン素案にも掲載しています。
未利用地を活用してエリアの魅力づくりへ活用する「まちなかランドバンク」の考え方も、アクションプラン素案に掲載されています。
⑨まちなか回遊のアイデア
川に架かる橋を渡りながら、いくつものエリアを回遊するように巡ることができたら。思い描くのはそんな豊かな楽しみや観光シーン。
まず多く挙げられたのは、回遊のために不可欠な、交通やモビリティについての意見。アクションプラン素案のなかでは「エリア全体の交通・駐車場・モビリティの考え方」として掲載され、交通計画を担当する専門家・片岸氏からは「まちなかを自分のペースでゆっくり速度で楽しめるモビリティハブ」による効果が解説され、意見が募られます。
・散歩コースの整備
・サイクリングロードの整備
・車を停められる場所の整備
・ちょっとした移動の際に乗れる・使える移動手段
・高速を降りたらすぐ自転車に乗れるように
そして、回遊の目的となるようなイベント企画や仕組みのアイデアも続きます。
・徒歩で回りたいまちづくり
・夏目友人帳や妖怪祭りの神様めぐり
・温泉手形で温泉のハシゴ
・角打ちやバルイベントの開催
・体験プログラムをつくってつなぐ
さらに、回遊手段の情報の見えやすさや、快適性向上のための意見も。
・デジタルパンフレットの制作
・地図看板、デジタル看板の充実
・外国人でも使いやすい手段や多言語対応案内
・子どもの利用を前提とした休憩スポットづくり
・宿泊施設の従業員さんの意見の収集
自身または団体としてやってみたいことや社会実験のアイデアでは、
・まちの中心に図書館をつくる
・定期的に野菜や本のイベントを開催予定
・案内看板と説明内容の詳細をともに作る
・イベントの際に協力する
・文化継承の場を提供する
などの声、そして学生や子どもの参加の機会をつくりたいという声も。
・大学生と一緒に新しい観光スポットをつくるまちづくり
・中高生へ「ストーリー」の公募
・保育園の行事として回遊さんぽの開催
⑩暮らしの満足度向上
アクションプラン素案でも第一に掲げる「市民の生活満足度向上」。そんなお題ゆえ、最も多岐にわたる意見がずらりと並んだテーブル。
・昼夜の安全
・駐車場の増設
・治水の観点の強化
・子育て視点での整備
・学生の集いの場づくり
・公園づくり、ベンチや休憩場所の設置
・飲み屋以外の遊び場づくり
・文化財の保存とオープン化
・地元の森林資源の活用
・収入増の計画
・高齢者が充実して暮らせるまちづくり
・子どもと若者が残るまちづくり
など、施設等の環境改善から、子育てや介護、政策にまつわることまで広く挙がりました。
⑪市民・事業者の参加促進
描いたまちの未来図を実現するために欠かせないのが、市民と事業者のみなさんのまちづくりへの参加。どんな仕掛けが参加促進に作用するか、アイデアが飛び交いました。
・個人でも簡単に出店できる場所づくり
・キッチンカーステーション整備
・チャレンジショップの開設
・学生、農家、外国人など、いろいろな団体が主催するマルシェを中川原公園で開催
など、主体となる機会の創出についてのアイデアが挙がると同時に、実際に主体となって活動を始めようとする意気込みも集まりました。
・社会実験→中川原公園→定期のステップで事業者が主となるマーケットづくり
・子どもたちの企画を計画する(子ども会、小中学校等)
・まちの人による観光案内を組織化する
・情報発信のための映像制作
といった関心の継続や参加についての意見が挙がりました。
これからの人吉市復興まちづくり
熱気溢れる時間はあっという間に過ぎ、各グループでのディスカッションメモを掲示した発表により会場全体に共有。
全テーブルを通じて、現在のアクションプラン素案全体への意見も多く集まりました。
・水害から4年経過。早く実現してほしい
・いつまでの目標か、現在どこまで何%実現しているのか、それぞれの経過を知れるとよい
・市民生活の満足度を高めるための市民の希望との整合性を高める取り組み
・総合計画の市民意識調査に加えて、ウェルビーイングへの客観指標を総合した市民生活満足と幸福度を追求すべき
・地域住民と観光客の視点をそれぞれに捉える
・「10の拠点」に記されたイメージは、できることから
・企業とまちづくりのコンセプトの共有
・若手が意見を出し、手を挙げやすい環境づくり
・若者、学生がゆっくりと過ごせる場づくり
・障害者、高齢者等への住民サービスを考えてほしい。公共交通の充実。生活弱者への様々な対応
・住民のくらしについての事業計画が必要
・地元が安心できる環境整備についてどう考えているか
・治水の観点が入っていない。人吉の復興には欠かせない観点
・夜間景観はとても魅力的な取り組みだが、一方で光害等にも配慮が必要
・人のいないまち、ぬくもりのない空気を変える。人口、夜人口を考える。
・より行き届く情報発信が必要
整備の段階や内容はエリアごとに異なるものの、エリアを横断して合同でのディスカッションを行うことで人吉市の復興まちづくりの現在地と未来図の全体像を参加者全員に知っていただき、同じまちに暮らすさまざまな価値観に触れながら、双方にアイデアを知ることができた時間。
また、これらの意見のすべては、復興まちづくりの計画づくりの場である「人吉市復興まちづくりデザイン会議」でも共有されました。
今後、人吉市の復興まちづくりは、まちの人のアイデア、担い手となる整備後のまちのプレーヤーの計画をより具体的なアクションプランとして組み込んだ「人吉市まちなかグランドデザイン 推進アクションプラン」を本案として公開に進む予定です。
官民の境界を越えて計画を共有して参加し、アイデアを実行するまちの人同士が応援し合う大きな輪の「仲間」となって進めていきたい人吉市の復興まちづくり。
これからも、ご参加いただける開催についての情報をお届けいたします。ぜひ、復興まちづくりにご参加ください。